リモート式恋愛感情【BL】

公園にも行くぞ

「昭……どうしたんだ。」


「ハルちーん、またフラれちったよ。」

家に昭が来ていた。
暫く見ない間に白銀に染めて、襟足を半分刈り上げアンシンメトリにしていた。
元カノの趣味なのか、耳のピアスも増えている。


「……チンピラ。」

なんだか、カッコつけてるのに未完成だ、俺も人のこと言えないけどな……。


「チェ、ハルちんまでそんなこと言ってさ、かっこいいんだよ!……黒髪にしたらモテるかな?」

相変わらず、頭ん中は万年女のことばっかだな。
櫛田 昭は幼なじみで、たまに会ってはお互いに適当に話す仲だ。
猿みたいな身軽さとずる賢さを備えて、容姿はぼちぼち良い方だが、いまだに自分の似合うスタイルにたどり着いてない。


「ハルちん今日泊めて。」


「……」


「めっちゃ今嫌そうな顔してるー、泊めろー!」

正直、底無し元気なこいつに付き合う気分じゃない。


「ハルちん、頭になんか乗ってね?」

馬鹿、触んな。


   「「ギャアアア」」

昭が触ったところから、高電圧が流れる。


「やべえ、ハルちんビリビリって光ったじゃん……」


「そういうことだから今日は帰れ。」

どういうことだか知らないが、今すぐにでも帰らせたい……
なぜなら……。


「ちょっ、ハルちんどこ行くんだよ!」

どこも何も、俺の行き先は一つしかなかった。
体が吸い寄せられるように動きだし、頭にあいつの言葉が電光掲示板のように浮かぶ。





<…ハル君に、クッキー食べてもらいたかったな…>


どうして、会って直ぐに渡せねーんだよ!!
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