天才ウマシカブ
第1章

ウマシカブ集合

「では、そういうことで。」

「頼んだぞ。」

 バタンッ
 
 職員室から出た私はどんな顔をしていただろうか?

 ニヤケてた? 困ってた?
 
 どんな顔でもいいけど、職員室でのことを思い出すとなんか変な感じがしてきた。


 中3の終わり頃。私は職員室に呼び出された。

「失礼します。」

「おぉ、高峰。やっと来たか。」

「すみません。委員会が少し長引いてしまって。」

「そうか。お疲れ様。あ、じゃあ、校長室に行ってくれ。」

「校長室ですか?わかりました。」

 担任の先生にそう言われた私は、校長室に入った。

 ・・・・私何かしたっけ?

「失礼します。」

 校長室に入ることって滅多に無い。
 
 だからかな?なんか変な感じ。

 それに、校長室に入ってみれば、校長先生と教頭先生と他にもいろんな先生がいた。

 本気で私何かしたっけ?

 考えていたら校長先生が口を開いた。

「高峰梓。単刀直入だが、君には教師をやってもらう。」

「は?」

「教師といっても、ずっとやる訳ではない。放課後だけやるだけだ。」

「・・・は?」

「部活のようなものと考えてくれればいい。」

「教師ってことは何か教えたりしなければならないのですか?」

「あぁ。勉強を教えてくれ。」

「なんで私がそんなこと・・。」

「成績が学年1位だから。」

 そんな理由?しかも誰に教えるんだ?聞いてみよう。

「誰にですか?」

「この学園の貴方と同じ学年の生徒だ。250人いる中の、成績が下から4人の生徒だ。」

「いつですか?中学3年生終わりの一週間だけとかですよね?春休みとか・・」

「いや。来年度1年間ずっと。」

「はぁ?!」

「まぁ、無条件でとは言わない。」

「何か条件があるのですか?」

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