ラジカルギャングズGODFATHER
彼らがソファーで寝られないのはマサヨが眠っているからである。
おまけに言うと、毛布も全て、今はマサヨのためだけに使用されている。


だるそうに目をこすっていた綺斗は、次に大きく目を見開いた。

テーブルの上に、筆記用具と何十枚もの用紙が散らかっているではないか。

その一枚を手に取ると、スバルが顔を並べて覗き込む。


「『迷子のお知らせ……この子に見覚えありませんか? 心当たりのある方はこちらまで連絡を』──?」


にこやかに見ていたスバルとは裏腹に、綺斗はがっくり項垂れた。


「面倒臭い奴!」

< 32 / 88 >

この作品をシェア

pagetop