ラジカルギャングズGODFATHER
この時も綺斗は、何の感情も動かさなかった。


誰かが死んだとか生きたとか、桜が咲いたとか咲かないとか、そういった全ての事象は、彼にとってくだらない出来事に過ぎない。


テレビで毎日のように殺人が報道されていても、それがどこで起きていようが、近所で起こっていようが、直接彼に関りなければそれだけである。


結局のところ、彼は日々の繰り返しの中に変化を求めてはいなかった。




にわかに、ズキンと脇腹に差し込みを感じた。



昔、両親がケンカした時もちょうど今のような季節だったことを思い出す。

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