ラジカルギャングズGODFATHER
「その梶山さんのことも、親だと思ってたのは俺だけらしい。俺は梶山さんが好きだ、母さんも好きだ、新しく来る奴もきっと好きになる……だけど、梶山さん以上はあり得ない」


言葉に間を置かず、目を丸めた燈路を振り向き様に見てから、


「新しい父親が、たとえどんなに良い奴だとしても──」


そう付け足して前を向き、再び歩いていく。



燈路は驚きのあまり口が開いたままであることも忘れて、二度も三度も瞬いた。



いまだに力の抜けた彼の背中が、今にも動きそうに思えた。

きっと必死に堪えているのだろう、本心では戻りたいはずなのに……





──次吉さんのもとに──……。





















< 78 / 88 >

この作品をシェア

pagetop