【短編】クリス王子とセシル姫
「馬車に酔ったの?」

「うん、、、」

「珍しいね」

「うん、、、」

応答も力が無い。
クリスは少し間をおくと、

「俺のキスが気持ち悪いのかと思った、、、」

と小さく呟いた。

目を閉じたままセシルがちょっと笑う。

”何言ってるの”というような反応に、クリスもつられるように微笑んだ。

「眠っていいよ。時間になったら、起こすから」

「うん、、、」

セシルはそう応えると、すぐに穏やかな寝息を立て始めた。

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