《それが罪だと言うのなら、私は喜んで罰を受けよう…。》
髪を切るという事は、神にとって自分の命を削る事と同意儀で弥勒の場合、その髪をバッサリと肩甲骨辺りまで短くしてしまっていた。

もちろん、そんな事をされると思っていなかった阿修羅は驚愕に目を見開いた。



【自分が今、何をしたのか…分かっているのですか?】
『もちろん、分かっています。これからの私に、神力は必要ありませんから…。』



“ああ、貴方は俺にこの儀式を見届けろと言うのですね?

貴方に一生仕える事が、幸せと知っているのに…。



それさえも、貴方は許して下さらない。

俺に、貴方の覚悟を理解しろと…。そう、言うのですね。”




【っ……弥勒様。俺は、貴方を殺しに参ります。】
《ちょっ…!》
『構いません、続けて…。』
【きっと、貴方を殺しに参ります…。配下に任せる事なく、この手で殺しに参ります。】



阿修羅は、愛染が顔色を変えたのにも構わずそう言い切った。
まるで、自分自身に言い聞かせるように…。


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