【ND第2回】雨

リュウもそれに気づいたらしく、あーあ、と言った。

「せっかく洒落たの履いてんのに、そんなにしたらだめだろ」

彼はすこし背を屈めて、肩をこちらに向けた。

そこに手をかけて、サンダルを履きなおせということだとわかったけれど、わたしはそうしなかった。

ぼんやりと、足もとを見つめたまま。


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