半熟cherry

神社の境内へ続く砂利道は。

お好み焼きや綿飴。

射的に金魚すくい。

屋台がたくさん並んでいて。

屋台から出る誘われるような大きな声と。

明るくライトアップしてあるせいで。

いつもは物静かな通り道が。

同じ通り道とは思えないほど賑わっていた。



「焼きそば食べたい♪」

『りんご飴もいいね〜♪』



引き込みの声や匂いに誘われて。

興味のあるものを言葉にする一美と私。



結果。

あっという間に両手がいっぱい。

しかも食べ物だらけ。



『色気より食い気…だね』

「アハハハハ…」



お互い、苦笑いの顔を見合わせると。



『「ま、いっか♪」』



同時に出たセリフがあまりにもピッタリで。

吹き出してしまった。



 

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