ヒマリュウⅠ 〜03.18-SS【幸せいっぱい】追加〜
『………へ?』
「"へ?"じゃないわよ。いつまでも充てにされちゃ困る、って言ってんの」
部屋に広がるのは、チキンが焼けた香ばしい匂いと、ピザが焼けた美味しそうな匂い。
更に飾ってあるツリーがそれを引き立てる中、なんとなく突き放された感が拭えない言葉を耳にして、一瞬フリーズ。
『あたし……料理……』
「出来ないのは知ってるわよ?…現にこうしてあたし"しか"作ってないし。」
『………ッ!』
「出来ないなら出来ないなりに、人に頼るばかりじゃなくて自分でも、少しずつ出来るように努力するとかしなさいよ。」
『………』
出来上がったピザを切りながら舞が言う正論中の正論に、何も言い返せない。
確かに…、人に頼るだけ頼って何もしないで。こうして見てるだけなのを見てたら、舞もキレるよね…。
口調は穏やかだったが、軽く棘の生えたような言い方と雰囲気から、静かにキレてるのがわかった。