GODDESS
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「離婚の際、俺の親権は父さんが持つことになった。離婚が成立して、父さんと二人、新しい生活をはじめるはずだった。」


だけど、とあーくんは続ける。


「父さんはすぐに再婚の話を口にしたんだ。」

「…再婚?」

「…マジ、有り得ねぇって思った。離婚してすぐなのにさ…でも、離婚の理由は父さんの浮気だったから、そんなもんかとも思った。」


その言葉に胸が傷んだ。


あんなに仲良かったのに…


「別れってさ、意外とあっさりだよな。付き合うまではすげぇ大変なのに。」


ハッと自嘲するように笑った彼に、あたしはその通りだと思った。


諒と付き合うまで、あたしはいろんな努力をした。

相手の好みの女の子になろうと髪型も化粧も洋服も変えた。

あんなにあなたに振り向いて欲しくて奔走していたあの頃を思うと、別れは…なんて呆気ない。


「まあ、不倫して別れて再婚。有りがちだし、わりきれるって思ってた。けど…」


そこで言葉をつまらせたあーくん。

そんな彼に視線を向けるけど、表情がみえなくて、

あたしは彼の手をギュッと握った。


「継母がさ、最悪だった。アイツ、俺に夜の相手を求めてきたんだ。」


その言葉に自分の耳を疑った。

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