GODDESS
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あーくん…


「父さんは俺を殴って、あの女から引きはがした。やっと解放されたと思う一方で、父さんとの関係が崩れていく気がした。」


自分を殺してまで、守ろうとした父親との関係。

その先には、破滅しかないとわかっていながら、
小さな光に望みをたくしていたのかも知れない…


「あの女は、殴られて呆然とする俺を尻目に泣きだした。そして俺に無理矢理犯されたのだと父さんに訴えた。もちろん、俺も反論した。だけど…父さんはあの女の言葉を信じたんだ。」


馬鹿だよな、結果はわかってたことなのに…

ははっと小さく笑った彼に、あたしは思わず、起き上がっていた。

サラサラと流れるように髪が肩を滑り落ちていく。


「…もう、話さないで」


無理に笑わないで。

今は、泣くところなんだよ?


「ちーちゃん…?」

「馬鹿っ!どうしてそんな風に笑うの?あたしの前では泣いてよっ!」


ぼたぼたと彼の胸に雫が落ちていく。

目を丸くする彼にお構いなしに泣いていた。


「ちーちゃん…」

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