GODDESS
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思っていた以上に照れるその行為は何度体験してもなれない。

…―そして、あたしの身体を熱くするところも


「よくできました。」


その一言とチュッとリップ音付きで額に落とされたキス。

あたしは頬を赤らめながら、葵を見た。


「可愛い」


チェリーみたい、と付け加えた彼にあたしの頭はキャパオーバーしたみたいで、


なんかいつもの葵じゃないみたい

調子狂う…


「ヤバい。ちょっと急ぐから頑張って。」


時計を見てそう言った彼にあたしは頷いた。


何か時間が関係してる感じ?


速足ながらもチラチラとこちらを見てくれる葵。

あたしの心は昔みたいに冷えてなくて、だんだんぬくもりを増していくのを感じていた。


「電車?」

「ちょっと遠いんだ。」


あまり乗ることのない方面の電車だからどこへ行くのか予想もつかない。


「やっぱ、混んでるな。」


確かにそうかも…


終電に近い電車がこれだけ混んでるってあまりないよね。


周りを見渡すと座れていない人も結構いる。


あたしは葵のおかげで座れたんだけどね。


目の前に吊り革につかまって立っている葵は、いつのまにか“男の人”になっていて、

そんな彼になんとなくだけど守られてる感じがしていた。


形勢逆転ってやつかな。

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