この想いは・・・。


・・・・・―――――――――


「入社おめでとう」


入社式の日、社員の人にそう言われて名札をもらった。


名札には、ふりがなはなく、『坂野 暁』しか書かれてなくて、不機嫌になった。



きっとまた名前を間違われちゃうんだろうな・・・。


昔から自分の名前が嫌いだった。



アキなのに漢字が暁だからアカツキとか言われたり、よく男だと間違われた。



そんな名前はあたしは嫌だった。




入社式がある広場に行こうと向かっていると誰かにぶつかった。


「すいません」


謝りながら顔を上げるとぶつかったのは男の人だったことが分かった。



「こちらこそ、すいません。新入社員の方ですか?」


「はい。あなたもですか?」



彼は返事の代わりにニッコリ笑った。



なぜかあたしはそんな彼の表情にドキドキした。



今思えばこの時から彼のことを好きだづたのかもしれない。



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