この想いは・・・。
それから、谷口くんとは同じ部署に配属されて、仲が深まっていった。
そして仲が深まっていくに比例して、あたしは谷口くんへの気持ちが強くなっていった。
―――――でも、あたしは何もできなかった。
食事を誘うことも、
休日に出掛けるよう誘うことも、
なにもできないまま時だけが過ぎた。
時間が過ぎるに連れてあたしは安心していたのかもしれない。
きっとまだ谷口くんは彼女を作る気がないと思っていた。
仕事が楽しくて彼女を作ろうと思わないんだ。
そう思っていた。
でもそんな考え、被害妄想にすぎなかった。
――――ただ谷口くんは彼女にしたい相手と出会っていなかったんだ。
出会っていなかったから彼女を作らなかったんだ。