この想いは・・・。

それから、谷口くんとは同じ部署に配属されて、仲が深まっていった。



そして仲が深まっていくに比例して、あたしは谷口くんへの気持ちが強くなっていった。




―――――でも、あたしは何もできなかった。




食事を誘うことも、


休日に出掛けるよう誘うことも、


なにもできないまま時だけが過ぎた。



時間が過ぎるに連れてあたしは安心していたのかもしれない。




きっとまだ谷口くんは彼女を作る気がないと思っていた。


仕事が楽しくて彼女を作ろうと思わないんだ。



そう思っていた。



でもそんな考え、被害妄想にすぎなかった。




――――ただ谷口くんは彼女にしたい相手と出会っていなかったんだ。



出会っていなかったから彼女を作らなかったんだ。



< 67 / 195 >

この作品をシェア

pagetop