あなたの部屋で死なせて下さい


低くて

甘い声。


鋭かった視線は柔らかいものに変わっていて。


それが余計心臓をドキドキさせてしまう。


この人の言葉を真に受けてはダメ。

頭の中でそう思っているのに。

なのに


頷いてしまうあたしは本当に

本物のバカだ。



「じゃあ契約成立、だな」


耳元でそう囁くと急に立ち上がり何処かへ電話を
し始めた。


「あー俺。悪りぃ、明日の午前中に五千万下ろしておいて。
うん、そう、ちょっと野暮用でな」

電話してる姿もカッコいいな

って!!

ちょっと待った!!


「あの!!」


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