バレンタインのキセキ。
『うん、壊れていいよ♪』
多分、あたし今超笑顔だった。
「…おーまーえーなー」
眉間に少し皺を寄せ、技とお前なを伸ばしながらあたしに歩み寄ってくる。
あっ、絶対これチョップくる!
右手がその体勢とってる!
よし、やっぱり急いで急げだ!
かーらーの、逃げるが勝ち!
あたしは今にもチョップしてきそうな竜に背を向けて、近くにある空中ぶらんこまで走りだした。
竜はいきなり走りだしたあたしを呆然とみていた。
『竜〜!あたしその手にはのんないからね〜!』
あたしはそんな竜に振り返り、そのひとこと。
この前浬も調子乗ってチョップ
くらってたしね。笑
「ガキかよ、お前」
竜がそう言ってたのは、あたしの耳には届かなかったけど、確実的にあたしを追いかけてくる足音は聞こえた。
ゲッ!
早く空中ぶらんこ乗んないと
チョップ以上に酷いことに
なるかも!やばい!
あたしなりに全力で走ったつもりだったけど、やっぱりパンプスだったのがいけなかったのか、運動神経が抜群だという竜に追いつかれた。