俺様先生と秘密の授業【完全版】
もう、イヤ。
イヤだ。
こんな風に、すぐ泣くあたしは、あたしじゃない。
あたしだって。
いつも莫迦みたいに、にこにこ笑っているワケじゃないけど。
でも、ちょっとやそっとじゃ泣かないって決めているのに。
今日のあたし、変過ぎる。
だって、昼と二回も泣……!
泣かない。
「……帰る」
なんだか、もう。
自分の意思とは別に、うるうるしているやつを振り払って。
あたしは、直斗のとなりから、勢い良く立ち上がった。
「もう、あたし、帰るから。
今日は助けてくれてありがと、じゃあね」
「待てよ!
ここから一人で帰る気か?
駅もバス亭も遠いのに!」
「関係ないし」
「今の電話で、もうすぐ俊介も来るし、待ってろよ」
「いいもん、だったら、途中で拾ってもらうから」
「愛莉……!」
「……」
待て、という直斗を振り切って、歩き出した時だった。
直斗は、ほとんど強引に、あたしの肩を掴むと。
ぐりん、とあたしを自分の方に引き寄せて、そのまま抱きしめた。
けれども。