俺様先生と秘密の授業【完全版】
「確か。
 天竜組の総長の誠は、すごく女好きで……
 どんな時も、女を連れて歩いてるって聞いてたが……まさか。
 女の方が『誠』だったなんて……」

 驚いてつぶやく吉住さんを無視して。

 誠さんは、まるで、泣きそうな顔で言った。


「……裏切り者……!」


 決して、大きな声じゃない。

 けれども、その強さに、岸君は打たれたように……顔をしかめた。

 その、岸君の痛みも無視して、彼女は、更に言いつのる。

「疾風は、天竜さんの話を、ちゃんと聞いてた?
 人質、なんて確かにカッコ良くないけれど、キレイ事を言ってる場合じゃないのよ?」

「……縄張りを広げて、大きな顔をして、街を歩くため?
 それとも、お金を儲けるため?」

 ちょっとシニカルな岸君の言い方に、彼女は、地団太を踏んだ。

「莫迦ねっ!
 疾風は、そんなことしか、考えられないの!?
 それに、お金の事だって莫迦に出来ないのよ!?
『器械』だってタダじゃない。
 あんた、自分が今日を生き抜くのに、いくらかかって居るのか知ってる?
 今回、天竜さんが、無理をしようと考えたのだって……!」



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