俺様先生と秘密の授業【完全版】
 全部丸バレのタイミングに、あたしは震えた。

 これじゃ……かえって逆効果だ。

 いや、騙したってコトで、もっと大変なコトが起こるかもしれない……!

 多分青ざめているだろうあたしの顔を、莫迦にしたように眺め。

 表情を無くした岸君の肩をいじめグループのリーダーは小突いた。

「それがもし、本物だとしたら。
 こんな、あんまり治安の良くなさそうな公園で着て。
 万が一、族の関係者にバレたら大変だ。
 部外者の岸は、相当ヒドく凹られるだろうよ。
 オレらより、もっと怖い、本当のヤンキーに」

 だよな?

 と、リーダーは言ってゲラゲラと笑った。

「どうやって手に入れたか知らねぇが、せっかく彼女が、持って来たんだ、着てみせろよ。
 そんで、この公園と、繁華街、三周な?」

「……」

 リーダーの言葉に、岸君は息を呑んで黙った。

 だって、公園だけじゃなく繁華街も、なんて!

 絶対に、族の誰かに見つかれってこと?

 グループにとってただの遊びでも、岸君には、シャレにならないじゃない!

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