俺様先生と秘密の授業【完全版】
「あたしに、彼氏が居るって聞いた時よ!
 今だってバイクで、逃げるとき。
 岸君には、渡さないって言って、自分のバイクの後ろに乗っけてくれたじゃない!
 それは、本気で言ったの!?」

 昼間。

 岸君に、告白されて。

 直斗に、報告しようとした。

 その時。

 直斗から、モテて良かったな、って言うかな?

 って思ってたけれども。

 実際に、言われてみたら……何だか、嫌だ。

 それは、直斗が、あたしのコトを本当に見てくれているわけじゃないから。

 今日だって。

 今だって。

 兄貴が困っていたから、助けに来てくれたの……?

 なんだか、すごく悲しくなって来た。

 なのに。

 あたしの質問に、直斗は答えず。

 吸ったばかりのタバコを消して、ぽつり、と言った。

「……泣くなよ、愛莉」

「べっっつに!
 泣いてなんか、無いもんっ!」

 でも、涙が……

 って。

 直斗の、男にしては、だいぶ細い指先が。

 あたしの瞳から出て来た水を優しく払った。

「……触んないでよ!
 まだ、答え、聞いて無いのに!」

 答え、を聞いて無いのに。

 優しくされたら、あたし、ダメになっちゃうじゃない!

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