想像ルピナス

1.あの日


学校から、帰宅途中。私は、帰宅部なので早く帰る。一緒に帰る友達はいなく、一キロ近くある家まで頭で何かを考えながら歩く。
最近、暇でしょうがない。何か、私に特別なことが起きればいい。と毎日、頭の中で思っている。
「た、助けて…」
私の背後から声がした。振り向くと銀色の髪をした少女が立っていた。
「どうしたの?」
「た、助けてください。私、私…」
少女は、私の体に倒れた。私は、少女の体を抱きながら近くの公園まで、歩いて行った。そして、少女をベンチに寝かせ。持っていたハンカチを水にぬらし、おでこに置いた。
「あなたは、誰? 教えて」
「……」
少女がうつむいた。
「教えてよ!」
「…私は、誰? あなたは誰?」
「え。まさか…」
私は、そのまさかのあとが怖くてなかなか言えなかった。
「まさか…」
この少女は、きっと…
「記憶喪失」

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