丘の上より




風が吹いてもいないのに、木は静かに揺れた。





『昨日も一昨日もたけしはこなかったね。』






アクマは目を閉じて言う。




「そうですね…」




『――淋しい?』




そして、静かに笑う…。




「そうですね。」






『好きだもんね、たけしのこと。』





「――はい。」






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