17ぱれっと、
でっかいあくびをしながら頭をかきむしるやつ。
「おお番長ー」
拓真がそいつらに駆け寄る。
鼻がツンとするにおい。酒か。
「おー、なんで松風いんの」
「居たら悪い?っていうか近寄るなっ」
蒼以は手をぺしぺしと叩くと、くせーと言いながらシャツのにおいを嗅ぐ。
・・・確信犯だ。
「くさいよ、くさい」
「まじかよ」
そう言い、香水を振りまく。
・・・そっちのほうがくせーよ。

「早く来いよ和也」
・・・ため息をつく暇もなく、もう一人。
鏡を見ながら髪をいじる黒髪。
「和也が学校来るのめずらしー」
この二人は厄介だ・・・。
そう思いながら目を細める。
拓真に番長と呼ばれていたのが頼。学校一の問題児。
そんで和也って呼ばれてるのが柴原和也。通称「天下無敵のナルシスト」。

「ねぇにおい取れた?」
近づいてくる頼を無視して和也の元に行く。

「おはよ!」
「んー・・・はよ」
鏡から目を離さない和也。
「ねぇミキから伝言!」
なに、それだけ言ってあたしを見る。
「ミキが、和也のこと好きだって」
「誰そいつ。知らない。」
「そう言うと思った、ほら」
携帯からミキが写ってる画像を見せる。
「別に顔は聞いてねーよ。無理だって言っといて」
それだけ言ってまた鏡に顔を向けてしまった。
ちぇっ。また失敗かよ。








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