カラダから始まる恋ってありますか?

「西澤さん、良かったな」


いつも怖い印象の店長が、珍しく柔らかい表情で微笑んでくれた。



思わず、その笑顔が意外過ぎて…ボーと店長の顔を眺めていたら



「な、なに?」

戸惑うように瞳をキョロキョロさせている。


「いえ。店長も…そんな顔で笑うんだなって思って…笑うと店長可愛いんですね」


あたしの“可愛い”という言葉が恥ずかしかったのか?

それともあたしが余りにも見過ぎたからか


瞳を大きく見開いた店長の頬がわずかに赤く染まって見えた。


「店長も、照れるって感情があるんですね」

マジマジと見つめながら言うと

「なっ!?別に照れてなんかない」


なんて言いながら、益々赤くなる頬を大きな右手の手のひらで口元から隠すようにして


「つまらない事言ってないで、トレイ片付けてきて」


それだけ言い残して、店の奥に消えていった。




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