カラダから始まる恋ってありますか?
【愛美side】
仕事を終えて、ロッカーに寄りかかりながら、鳴らない携帯を見つめていたら
「愛美、帰ろう」
まるであたしを元気づけるような明るい表情で微笑んだ。
「うん。帰ろう」
店を後にしたあたし達は、いつものレストランに寄りエビグラタンを頼んだ。
程なくしてきたエビグラタンから立ち上るあったかな湯気をボーと見つめながら
心の中は、分厚い霧がかかったままで、美味しいはずのエビグラタンの味が
なぜか美味しいと感じない。
ハァ…と、知らず知らずにため息の数は増え続け、あたしのカラダはため息の渦に巻き込まれてしまいそうだ。