カラダから始まる恋ってありますか?

【愛美side】


仕事を終えて、ロッカーに寄りかかりながら、鳴らない携帯を見つめていたら


「愛美、帰ろう」


まるであたしを元気づけるような明るい表情で微笑んだ。


「うん。帰ろう」



店を後にしたあたし達は、いつものレストランに寄りエビグラタンを頼んだ。


程なくしてきたエビグラタンから立ち上るあったかな湯気をボーと見つめながら



心の中は、分厚い霧がかかったままで、美味しいはずのエビグラタンの味が



なぜか美味しいと感じない。



ハァ…と、知らず知らずにため息の数は増え続け、あたしのカラダはため息の渦に巻き込まれてしまいそうだ。




< 247 / 382 >

この作品をシェア

pagetop