カラダから始まる恋ってありますか?
「おかえりなさい」
思わず「どうだった?」と聞きたくなった言葉を飲み込み努めて笑顔を浮かべた。
けど…裕介さんにはお見通しだったようで
「愛美、顔引きつってるよ」
ニカッと笑いながら言われてしまった。
「あっ、ごめんなさい」
「別に謝る必要なんてないよ」
あたしの髪をクシャリと撫でてリビングに向かう裕介さん。
ネクタイを外し、Yシャツのボタンを外していく裕介さんの背中が、なんだか強がっているように見えて
あたしは、後ろからソッと抱きしめた。
すると、裕介さんはあたしの手に自分の手を重ねて
「…ヤッパリ、愛美には嘘つけないな…」
そう、ポツリと呟いた。