カラダから始まる恋ってありますか?

「愛美…」


「なに…」



ダメだ…泣きそう…もうすぐしたら、このぬくもりは遠くに行っちゃう…



「愛美…約束してくれないか」


「なにを?」


ワザと強がって言った。

裕介さんの胸に顔をうずめたまま


裕介さんの鼓動を感じながら


このぬくもりを忘れないように胸にしっかりと刻み込む。


「俺以外の男に心奪われるなよ」


当たり前じゃん。裕介さん以外に好きになれないよ。

「裕介さんだって。あたし以外の女に心奪われないでよ」


「当たり前だ。愛美以外に愛せない」


その言葉があれば大丈夫だよ。


あたし…頑張れるから。


そう思った時だった。


突然、手を取られて、左手の薬指に何か冷たいものがはめられた。




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