カラダから始まる恋ってありますか?

「由実が幸せで嬉しいよ」


心からそう思う。

「市川さん、優しいでしょう?」


「うん。優しい」


「この、幸せ者。少しは気使いなさいよ」

冗談っぽく言ってみせると

「ごめん」


と、頭をかきながら謝る由実に「許す」と顔を膨らませながら言った。


それからあたし達は、話したかった事をそれぞれ話して気づいたら

もう夕日が沈みかけていた。


「ご飯食べていきなよ」

「ううん。もうすぐしたら旦那さん、帰ってくるでしょう?新婚さんの邪魔しちゃ悪いもん。じゃあね」



玄関先まで見送ってくれた由実。


「じゃ、またね」と帰ろうとするあたしに


「愛美。大丈夫だよ。きっと、大丈夫」


そう力強く微笑んで言った由実。


由実の言葉は力強く、裕介さんに会えなくて壊れてしまいそうになっていた

あたしの心に力をくれる。


「うん。ありがとう」と微笑んで由実の部屋を後にした。





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