reverse【完】
結局、自分のことしか考えずに逃げていた俺は


美咲の変化なんて当然気付く訳もなく



エミの言われるがままに
仕事帰りに食事をしたり、ドライブをしたり、映画を観たり 体の関係が無いにしろ【恋人】と言われても仕方のないことを繰り返していた



気付かなかった


『頑張ってね』と言う美咲の声が小さく震えていたことも


子供と一緒に寝た振りをして、俺の帰りを起きて待っていたことも


信じてると…自分に言い聞かせて声を殺して泣いていたことも



何も気付かず、追いつめていた










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