憂鬱な午後3時
爺さんの顔は全く知らないままだ。

母は、ちょっと待ってね…と言って部屋から出て行く。


しばらくすると、あったわよ…これが、誠のおじいさんよ…。


そう言って見せて貰った写真に映し出された男性と、時間の番人にあった男性が、ソックリだったので、驚きを隠せなかった。

「俺…爺さんに会ったよ」
ポツリと呟く俺に、母はもう、亡くなってるのよと言った。


「いや…夢の中で、爺さんとあったよ…本当に母さんが言うような、おとぎ話の世界に、振り回されてな…時空刻とかって…今考えると可笑しいよな?…え、母さん?」

目を細めて笑ってた俺に、母は泣きながら応えた。


「時空刻…懐かしいわ。おじいさんがよく私に聞かしてくれた、おとぎ話がそれよ…懐中時計が…」

「俺も、懐中時計に振り回された…」
写真を見つめながら、俺は呟いた。


ー爺さん、本当におとぎ話が好きだったんだなー


懐中時計を握りしめると呟いた。爺さん…ありがうな。この懐中時計は、俺が貰っておく…大事にするからよ


ー写真の中の爺さんが、一瞬だけ微笑んだように見えたー
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