憂鬱な午後3時
「何か考えごとかい?」
マスターは、いつものように微笑んでいる。

「…俺、懐中時計まだ持ってるんすよ」
ポケットから、懐中時計を出してみせた。
マスターは、苦笑いして
「もう半年も過ぎてるんだ、誠君の物にしたらどうだい?」

意外な言葉に、ビックリしたが確かに、半年以上も経っているし、今更誰も探してなど居ないだろう…。

「じゃあ、そうします」
俺は、遠慮がちに答えた。

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