憂鬱な午後3時
パフェを食べ終わった俺は、財布を取り出そうとしてポケットに手を入れた。

《シャリン…》
引っかかって落ちた懐中時計を拾い上げて、またポケットに入れ直す。

「ごちそうさまでした」
俺は、レジに向かって勘定をした。


「また来てね」

《カランカラン…》


俺は、その帰り道で奇妙な出来事があった。

《ドンッ…》
人とぶつかってしまった瞬間に、懐中時計を落とした…。

「すいません」
俺は、懐中時計を拾い上げる途端に、ぶつかった相手は叫んだ。

「その懐中時計を持っていると言うことは…貴方は、ロベルト様!?」

俺と、同じ年くらいの男性が指を差しながら、ワナワナと震えている。

「見つかって良かった…さぁ、ロベルト様…時空刻(じくうこく)に参りましょう。」
腕をグイグイと引っ張る。

「俺は、ロベルトなんかじゃない!」
この男は全く俺の話を聞いてはいない。


男は、人差し指で円をを描くと、その目の前には、真っ暗な闇が広がっている。

「何なんだよ!?」

俺は、吸い込まれるように、その男と共に真っ暗な闇の中に飲み込まれて行った。

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