零れ落ちるモノ
水色に染まる空の町
母は売春婦だった。
あばずれと呼んだほうが分かり易く感じるかもしれない。
『誰でもいいのよ。お金貰えて気持ちよけりゃさぁ』
母は強がりの様に、世間の仕組みに言い訳する様に言っていた。

私の住んでいた街は如何わしい店で働く従業員達が住む街だ。
売春婦もいれば闇医者、そういう店のソウイウヒト。
みんな何食わぬ顔で生きている。

ここは空の街だ。私は物心付いた時からそう呼んでいる。

水色に染まる空の街。
ここはピンク街なんかじゃない。
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