千景くんは幼なじみ
「結愛ちゃんたちって…やっぱ両思いかぁ~。ふふっ」

和奏くんは嬉しそーに、フンフン言ってる。

「え…違うよ」

多分。

…私もよくわからないんだもん。





そんな時、穂積がちーちゃんの背中に向かって、大声で叫んだ。

「千景くん!付き合うとか…そんなんじゃなくていいから。友達になりたいっ。

軽音も…千景くんと一緒のバンドじゃなくてもいいからやりたい」

うわぁ…。

穂積もメゲないなぁ。うらやましいよ、そのガッツ。

そしたらちーちゃんは軽く振り返って、ニヤリと笑う。

「男友達は間に合ってまーす。あ、それからそのギター。2年の瀬尾さんに返しといてくれる?オレ、軽音向いてねぇみたいだから、ヤーめた」

え。

軽音、入らないんだ。

そっか。

ちょっと安心。







ギターを持って立ち尽くす穂積と、

去って行くちーちゃん。






そんな二人のやり取りを、

みんなで固唾を飲んで…見守った、

…朝のひととき。





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