千景くんは幼なじみ

「オレが結愛を好きになる…チョコ？」

え。

彼は、ニコニコしながらチョコを見つめていた。照れながらも…やっぱり、言う事はストレート！

「な…何それっ、違うよ！？私はただ…」

動揺している私の前で、寿太郎くんはチョコの包みを軽く握りしめる。

和奏くんが言ってた事だよ、それ。

そのチョコ、実は恋に効くチョコで有名なの！？

…違うよね。

「和奏くんが…言ってたの？」

「…和奏が、これで穂積に餌付けしてるの知ってた」

「もしかして、和奏くんの気持ちも知ってる？」

ドキドキしながら寿太郎くんを見つめる

「そりゃ…まぁ。オレらずっと一緒だし。

でも…さ。これ、和奏からじゃなく。結愛からだと思ってもらう」

「だからぁ、そんなんじゃない。疲れに甘い物がいいかなって…」

「…サンキュー。疲れ過ぎて、たまに何も食えない日もあるんだよな。…けど、結愛がくれるもんだったら、何でも食えそ。

また、こうやって…差し入れしてくれたら嬉しい！」

差し入れってほどの物じゃないよ。

しかも貰い物だし…。

真っ直ぐな瞳が、痛い。