千景くんは幼なじみ
背伸びをして、ちーちゃんの首に手を引っ掛け、体重をかけた。

案の定、ちーちゃんはそのままバランスを崩す。

「うわっ、結愛…やめろって…」

「コケたらいーんだっ!この…バカッ!」

踏ん張ったらきっとコケないハズ。

私がぶら下がってるのに、まさか…コケないよね。

…って思ったけど、

ちーちゃんはそのまま…見事に後ろにひっくり返った。

玄関で転がる私たち。






「いっ…てぇな…。重すぎんだよ、テメー」

「男だったらか弱い女の子の一人ぐらい、抱きかかえてよねぇ?

私の友達なんか、こーやったら彼氏がお姫様ダッコしてくれたんだからぁ~っ」


「知るかっ!お姫様…って。…ブッ」





…なによぉ~。

ちーちゃん、背中を玄関扉で打ったハズなのに、私の顔見て突然吹き出した。

…何なの?








「お姫様…ね。ナルホドなぁ。なんなん?姫気分味わいたかったワケ?」

ちーちゃんは、嫌味タップリな顔で私の顔を覗き込んでくる。




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