千景くんは幼なじみ

「私の前では無理しないでいーよ。いつも、梓の本当の気持ち…話してね?」

「結愛には本当の事、話してるよ!ほ~んとに。引きずってないから。

まぁ…その後、コクってきた子とは勢いで付き合ったのもあるし、完全には好きになれなくて。

卒業してから別れたんだよねー。でも次にね、またいい出会いがあったんだ」

「うんうん」

聞きたい!

梓の隣に座ってるけど、もっと梓に近付きたくて、更にお尻を横にずらす。

「えへへ。…そいつがまた、ナカナカいいヤツでね」

梓はやっぱり恋愛話が苦手みたいで、照れくさそうに話しだした。

「そうなんだ。でも…やっぱり好きになれなかった…?」

私がそう言うと、梓は首を横に振る。

「ううん…」

「じゃあ、好きになったんだ!」

「うん。…アイツと出会って、すごく好きになった」

梓は頬を染め、恥ずかしそうに肩をすくめる。

そんな梓を可愛いと思う。

けど…

彼氏いないって言ってたし、

その大好きな彼とは…別れたって事だよね。



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