千景くんは幼なじみ
「コラ~、たたくなっ!」

ちーちゃんは頬から手を離し、器用に私の両手首を片手で掴む。

だってぇ…。




ちーちゃんに手を掴まれ、捕らわれの私。

「ちーちゃん…痛い」

手首にちーちゃんの指が軽く食い込む。

「ホント結愛は凶暴だな~。謝れよ」

「やだ。元はと言えば、ちーちゃんが悪いんじゃん」

プイと顔を横に向けると、空いた方の手で顎をつままれる。





「あ~そぉ。オレが悪いんだ?」

ひゃ。

ちーちゃんは口端を上げ、私の顔をちーちゃんの方に向かせる。



…真正面にちーちゃんの顔。

うわ、どうしよう。

緊張するっ。





「…ちーちゃん、えっと。ちーちゃん部活の申請期限っていつまで?」

「あー、いつだっけ。…とりあえず一個は入んなきゃなんないしなー」

ホラ、真顔になった。




ちーちゃんって意地悪中でも、何か質問したら…普通に答えてくれるんだよね。

そこが、私のキュンポイント。




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