千景くんは幼なじみ
「紹介して」

穂積が後ろから私をつついてくる。

あ…そうだった。





「千景くん、私の友達の穂積…」

穂積の袖を引っ張り、ちーちゃんを見る。

ちーちゃんは、穂積を値踏みするかのように、上から下までジロジロ見ていた。

怖っ。

ガン飛ばしだったら穂積も負けないから~っ。

穂積を見るとそんな視線にはビクともせず、今は笑顔だった。





ちーちゃんが穂積を指差した。

「お前さー、里田寿太郎(じゅたろう)の…きょーだい?」

「え、何でわかった!?」

穂積は目をぱちくり。





ちーちゃん、ビンゴ!

ファイル渡した時に、友達の弟だって言ったからわかったのかな。





「何となく似てんじゃん」

「そーなんだよなぁ。たまに言われるっ。でもあんま嬉しくナイ」

ハハハと笑う穂積に、ちーちゃんが一言。

「だろーな。姉として恥ずかしーだろ、あんなバカ」

え。






その言葉に、

さっきまで笑っていた

穂積から、笑顔が…消えた。





「ちょっとぉ、ちーちゃん!?」


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