千景くんは幼なじみ
「穂積はブラコンなんだから!弟大好きなんだよー?弟くんの悪口言ったら…怒るってば」

穂積には聞こえないように、ちーちゃんの耳元でごにょごにょ話す。

「るせーな。オレは磐田の里田が嫌いなんだよ」

ブツブツ、ごにょごにょ。

二人でモメていた。




当の穂積は、気付くとこの場にいなかった。

うそっ!

どこ行ったの~?





「ちょっとぉ、ちーちゃん?穂積怒ったよー。どうしよお」

「知るかよ。結愛がブラコンって言ったんが聞こえたんじゃね?」

「ちーがーう」

「それにお前も…。紛らわしーのと一緒にいんな。男かと思っただろー」

「穂積は、ボーイッシュなだけ!」

「ホレホレ。そんな近付いたらまたキスすんぞ?」

「きゃっ」

ちーちゃんは私を後ろから抱きしめようとしてくる。

うまくかわしたけど、ちーちゃんはまた昨日のようにニヤニヤしていた。


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