クルースニク
しまったと思った。

でも高い服を買って貰った以上断る訳にはいかない。

襲われたら叫んで逃げればイイ。

警戒しながら亮と言う男の家へと向かった。


「すっごーい!お金持ちだったんだ!!」

彼の家は豪邸。

だからこんな高い服、簡単に買えたんだ。

そういえば、カードで支払いしてたような、、、。

「お礼は俺の作品の感想を聞かせて」

なんだ、そんな事か。

と思う。

正直、エッチされると思ってたから。

彼は絵を描くのが趣味らしい。

私も好きだから丁度いい。

「全然オッケー!早く連れてって」

彼に案内され作品館へ。

それは地下室。

「楽しみー」

彼は私を見て、また歯を見せて笑った。

その無邪気な笑顔に私はドキドキしていた。



大きな扉が開かれる。

中からは鉄の臭いがした。

それも生臭い鉄。

、、、もしかして血?

そう思った瞬間、背中がゾッとした。

殺されるかもしれない。

感想だなんて私を殺す為の口実。

甘い仮面に騙された。

帰ろう。

そう思った時にはもう遅く、扉は硬く閉ざされていた。
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