クルースニク
抜きたての椎名杏子の血をがぶがぶとタンクの半分ほど飲んだ。

充電満タンと言ったところか、、、。

「さてと」

と言いながら部屋を見回し、あることに気付いた。

それはいつもなら棚があって見えないのだが、棚が倒れて後ろの壁が露になっていた。

そこの壁には窪みがあった。

何処かで見たことある形をしていた。

「あっ」

俺は地下室を出て、自室の机の上においてある、屋根裏部屋で見つけたメダルを手に取った。

地下室に戻り、先程の壁の前に立つ。

一度深呼吸をして、壁の窪みにメダルをはめてみる。

大きさはピッタリだった。

カチャッと音がして、辺りを見回す。

次の瞬間、もの凄い騒音と共に真っ青になった女が動き出した。

その時思い出したのが、父の遺産の話。

まさかメダルが鍵になるとは思わなかった。


台の下からは更に地下室に進む階段が出現した。

俺は何の迷いも無く階段を一段一段降りて行った。

階段を降りきると、目の前には大きな扉。

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