クルースニク
その扉を押してみる。

扉はとても重く分厚い。

ゴゴゴゴと音を立てて扉は開いた。



部屋の中は壁や床、天井までもが土色の煉瓦で覆われていた。

薄暗い部屋で頼りになる灯りは、揺ら揺らと踊るロウソクの火だけ。

部屋の中央には木製の机が一つ。

その上には、古く黄色く変色してしまった紙やノートが何冊も置かれていた。

どうやら手紙と日記のようだ。

手紙を手に取って見る。

その手紙は父の物だった。

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