心も体も今すぐ壊して


「愛人の子ってね…中学の時に聞かされたの。しかもお父さんに…」


「……そうか」


「お母さんは私が幼い時事故で死んでしまったらしくて…それからは…親戚へとたらいわまし…」




先生は黙って聞いてくれてる。




「結局皆に受け入れられなくて、今の家に来たって感じかな」


「…そうか。若いのに苦労してんだな」


「う~ん。そうなのかな」


「依存が目覚めたのはいつから?」


「中学からだよ。すがりたいモノが、あったんじゃないかな。多分…」


「…そうか」


「さ…先生。一緒に寝よう?」




私は遠慮なくベッドへ入った。
泊まりなんて初めてだけど…大丈夫だよね。




「俺はここでいい」


ボスッっとソファーに寝そべる先生。
背中痛くなるのに。
わざわざソファで寝なくても…。




「先生。隣り空いてるよ?私、一番端で寝るから、先生もベッド使ってよ」


「…気にすんな。寝るぞ」


「……わかった。おやすみなさい」


「おやすみ」




私は瞳を閉じると
すぐに深い眠りについた。


< 97 / 321 >

この作品をシェア

pagetop