たからもの

色んな事があった３年間。

友達との喧嘩…

失恋…

親の離婚…

自分でいうのもなんだけど、私は波瀾万丈の日々を送っていたと思う。

ステージの上から見た体育館。

先生や親達は泣いてたり、目頭を抑えたりしていた。

千のピアノは相変わらず上手かった。

千とは本当に色々なことがあった。

傷つけたり、傷つけられたり。

忘れない…千のことは。

忘れられない…今でもだいすきだから…。

色々考えていると涙が出てきた。

声が上手く出せなくて、音程がずれる。

一段下にいた夢乃が私を振り返り、もらい泣きをしていた。

合唱を終えて、席に戻る。

校長の話や教育委員の話なんか耳に入らない。

そして、在校生の拍手に見送られ、体育館を後にする。

体育館を一歩出ると、足が震えて止まってしまった。

後ろにいた成美と愛心が気付き、駆け寄ってきてくれた。

２人も泣いていたのに…２人に支えられながら教室へ行く。