たからもの

千へ

千へ


なんか千に手紙を書くのは久しぶりじゃないね。
この前書いてポストに入れたんだけど、読んでくれましたか？
千は受験勉強で忙しそうだし返事は求めていません。
アドレスも変えたみたいだね。
私は知らないけど。

千と悲しい別れをしてから２年以上が経ちました。
元気にしていますか？
彼女ができた時もあったみたいだね。
優しい千だから、彼女さんはすごく幸せだったんだろうなあ…。
もし私があの時素直に「イヴ空いてるよ」って言えてたなら、今、私は千の隣にいましたか？

千も誕生日を迎えたよね。
おめでとう。
千が１２歳の誕生日を迎えた日、私は千と別れたよね。
覚えてるかな？
ませた子供だったよね。
小学生で付き合うなんてね。
でも年をとればとるほど感情表現ができなくて、素直になれなくなるね。

私の人生で本気で愛した最初の人は千でした。
千が本気で愛した最初の人も私だといいな。
千に出逢って、運命って言葉を初めて信じた。
たくさんの愛をありがとう。

正直なところ、別れてからずっと千をひきずっていました。
彼氏はできていません。
私は叶わなくてもいいからずっと千を好きでいる、と誓った。
でも恋は突然やってくるもの。
傷つくのは結局自分だから恋なんてしないと思ったのに…私は結局恋をしてしまいました。