たからもの

痛手

早朝、車に荷物を積み、お父さんに学校まで送ってもらった。

「忘れ物ないか?!」

「ないよ!!ありがとね♪」

荷物を持ち、お父さんに踵を返してバスのある方向へと歩き出し、バスに乗り込む。

「「遅いぞーっ!!」」

美麗達はすでに着いていて、トランプをしていた。

美麗達はそう言うと、私に向けていた視線を再びトランプへと戻した。

「自分の場所へ戻れ~。」

先生の注意とともに美麗達はトランプを片付け、自分の座席へと戻った。

私の隣は雪女だったが、後ろには裕貴がいた。

だからってわけじゃないけれど少し安心した。


バスの中では朝会があり、カラオケもした。

窓側の下の壁にマイクがそれぞれ2本ずつセットされている。

みんなで1フレーズずつ歌った。

私が歌ったのはサスケの『青いベンチ』だった。
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