たからもの
幸の勢いに圧倒され、私は黙ってしまった。

「今なら、傷は少なくてすむよ…?」

幸が冷静さを取り戻して言った。

私は沈黙の中、静かに口を開いた。

「私、…東西と…別れるよ…。幸ちゃん、協力して?」

幸はゆっくりとうなずいてくれた。

私と幸は計画を進めた。

その計画とは、次の土曜日の花火大会。

そこを最後の想い出にすることを決めた。

「メンバー決めなきゃね!とりあえず光誘う!!」

「なら私、納留ちゃん誘う。」

私は携帯を取り出した。

すると幸が私の手から携帯を奪った。

「あたしが連絡しとくから、藤沢に連絡しな。」

幸は私の携帯をとると、新規メールの立ち上げを削除し、千への電話をかけた。

幸は携帯を私に戻すと、納留達にメールを送り、東西に電話をした。
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