雑用部+α

と、気分も変なところで上々し始めた、猿渡くん。

「お、牛乳パック発見!!」


今度はノリノリで牛乳パックを拾い上げた。

「あれ、秀吉じゃん」
見ると、ラブラブに手を繋いだ、哲と沖川唯がいた。

「俺たちこれからデートなんだぜ?」

羨ましいだろ?と言わんばかりの笑みを浮かべる哲。

「あっそ…」

心のバロメーターが10ぐらい下がった、猿渡。

「じゃあな。ゴミ拾い、頑張れよ」

そう言って、再び歩き出した、お騒がせカップル。

猿渡は持っていた牛乳パックを投げたが、当たらなかった。残念。

「別れろ…別れちまえ」

と呪いの言葉を呟いたあと、またごみ拾いに取り掛かる猿渡。


また、怒りを心の中で吐き出した。


あのカップル…いや、全世界のカップルに言う。
別れろ。別れちまえ
ドヤ顔すんな。
チューぷりを見せつけるな
公道でイチャイチャすんな。通行の邪魔だ


あと、夜、草原でエ〇チすんな。
見たとき、「うわぁ」って声だしちゃったじゃねーか。

カップルこっち見たし。目があったし
気まずいじゃねーか!!
思わず吹いちゃったし

あと、何人と経験したかなんて、いちいちホムペやブログに載せるな

炎上して、封鎖に追い込まれろ!!


と、ありとあらゆる暴言を心の中で吐き出す猿渡くん。

また牛乳パックを拾い上げたとき、

「あれ、猿渡先輩じゃないですか」

山田とウン子がいた。

「何してんですか?」

「いや、おまえらが何してんだよ。部活は?」

「サボっちゃいました」

「何普通に言ってんだよ!!」

「それが僕と言う人間ですから」

「健かっこいい」

とウン子が嬉しそうに言った。

「いや、かっこいいとかいう問題じゃないし!!つーか、かっこよくないから!!」


「ヤキモチですか?猿渡先輩」


仕方ない奴だなと言わんばかりの笑みを浮かべる山田。


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